本が売れない原因の半分は出版社にあると思います。
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読書はそれほど好きではない私ですが、本屋さんに行くのは好きです。
もちろんAmazonを見て、いろんなジャンルの本を検索するのも好きです。でも、ピンポイントで本を選ぶネット買いよりも、意外な発見ができる「本屋さんに行く」という行為は、案外楽しいものです。
しかし、そんな本屋さん好きな私が、その本屋さんで不愉快に思ったことがあります。
今年開店20周年を迎えた、池袋のジュンク堂書店。日本最大の書店として、開店前から雑誌やテレビでたくさん取り上げられていました。
当時、大学が豊島区にあった私は、開店当日、さっそくジュンク堂書店に足を運んだのでした。
店に入ると店舗の広さや、本の数はもちろんのこと、メディアでジュンク堂を知ったであろう人たちで埋め尽くされ、驚きました。
でも、不愉快な体験はここからです。
当時、ジュンク堂さんの売りは「椅子に座って本が読める」。つまり「立ち読み」ならぬ「座り読み」ができる、というものでした。
開店の前週か前日に「王様のブランチ」(TBSテレビ系)で、ジュンク堂のその「売り」を紹介しており、「へえ〜、時代も変わったなあ」と思ったものでした。
ところが、行ってみると店内の椅子に座っている人が、みんなスーツを着て、ビジネスバッグを抱え、雑談したり、名刺交換をしていたのでありました。
そうです。その人たちはみなさん出版関係の人たちなのです。
客の中には、座って本を読めるという「ブランチ」やその他の媒体の情報を見聞きして来店した方も多かったと思います。私もそのひとりでした。
しかし、椅子は出版関係者が独占しているのです。
「本が売れないですねえ〜」などと話していたのかどうかはわかりません。
しかし、本の売り上げにつながる客が目の前にいながら、本を読ませず、書店のセールスポイントを客に体験させない出版関係者には、正直あきれ返ってしまいました。
上の方の階にあった喫茶店にも行きましたが、そこも出版関係者で満席。買った本をお茶しながら読めるというのも売りだったのですが、商談に耽っている関係者が、客無視でふんぞりかえっていました。
彼らは目の前の客が、自社の売上げの上下、自分の給料の上下につながるという想像力がなかったのでしょうか?
本が売れないと嘆く出版社さん。売れない原因はあなたたちにあるのですよ。
ジュンク堂さんは現在、いろんな本に関するイベントを積極的に行っており、田舎に引っ込んできた私にとってはうらやましい限りです。店員さんは素晴らしいのに、出版者がいまだに「アレ」な感じなのでしょうか?
まあ、出版社がつぶれようが、私には知ったことではないですが、本を売りたいなら、本が好きなら、もっと想像力を使ってほしいと思った出来事でした。
なぜ人はジュンク堂書店に集まるのか―変わった本屋の元大番頭かく語りき
- 作者: 渡辺満
- 出版社/メーカー: 自由國民社
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